背徳と淫行の果に、欲情の喚起ではなく、エロティシズムの消盡がゴールとすれば、畫面に置いてそのアクションとリアクションの連鎖をいかに実現(xiàn)するかこれこそが、セックスのイメージが溢れ返っている今日においてもなお、ピンク映畫を撮る際に乗り越えなければならぬ、最初の壁である — 徹底的に「立たせない」ピンク映畫の創(chuàng)出本作最後の「大亂闘」は、観客を前にして臆することなく、その具體例を提示するそれぞれの役者は特権的なカラダを持っているにもかかわらず、その使用法はしばしば笑いを誘うあんな出鱈目で無味乾燥なセックスはどうよ、とお尻を掘る男は、必ず掘られるし、死體に近い男の上に跨る女性は、カメラを持って彼の苦悩する顔を撮って見せる

こうやって愛の傍らに、対峙と降伏の力學(xué)が働かなくなり、亂調(diào)し、空転しはじめる。

兎にも角にもやりっぱなしで、垂直と水平の交差のみで構(gòu)成される肉體の苦戦が耐え難いけれど、畫面に映っている男女の振る舞いは、果たして最悪なのか、それとも最悪の始まりなのか、もっと言うと、最悪の向う側(cè)に何があるのか、誰も判らない

そもそも監(jiān)督は、見せようともしない。

少なくとも、スナックで熱唱する祥子をじっと見つめる桑山の眼差し（45度の仰ぎ見）や狹い空間での３人の構(gòu)図が、おそらく伊関のケツの「再開発」を目撃する栩谷にとっては、最も優(yōu)しいデジャブになるかもしれない。

熱唱の続きはあるが、悪夢の続きはどうも思い出せない祥子に纏わる死の淵を覗く純愛劇で終わるピンク映畫は、やがて「さよならの代わりに」、ピンク映畫自身の死を思い出すための最良の悲歌として遠(yuǎn)くから響いてくる